
突然ですが、皆さんは『リユーザブル心電図電極』と『ディスポーザブル心電図電極』と言われ、なんのことかわかりますか。
医療関係の仕事または勉強をされている方ならご存知だと思いますが、
それ以外の方はあまりピンと来ない方も多いかも知れません。
心電図電極の種類
心電図電極には大きく分けて2種類あります。(分け方にも色々あるのですが。)
今回はリユーザブル電極とディスポーザブル電極の話です。
昔からある、健康診断等で心電図をとる時に使用される胸にゲルを少し塗って吸盤で吸い付ける
あれがリユーザブル(=繰り返し使用可能)電極です。
四肢に付ける物は大きな洗濯バサミのような形状をしているものもあります。
これは多くの方がご存知かと思います。
そしてディスポーザブル(=使い捨て)電極と言うのは大きさや形は様々ですが、
パッチシールに金属等の端子が付いているような形状をしています。
このシールを体に貼り付けて端子にリード線を繋げて心電図をとります。
端子が無く、電極とリード線が一体になっているものもあります。
ディスポーザブル電極の利点
使い捨てにするなんてもったいない!と思う方もいるかも知れません。
しかし、ディスポーザブルの電極が使用されているのにはもちろん理由があります。
- 第一に、衛生的です。
リユーザブル電極の吸盤内部は形状的にも清掃しにくく、
人間の皮膚に何度も吸い付いているわけですから汚れや雑菌がたまりやすい事は想像に難くありません。
ある実験ではリユーザブル電極の内部から16種類ものバクテリアや真菌が見つかりました。
抵抗力の弱っている患者さんや電極取付位置付近に傷がある場合等、ある程度感染のリスクが高まると言わざるを得ません。
- 第二に、安定性です。
健康診断の時に電極がポロッと取れてしまってあわてて付け直された、なんて経験はありませんか。
やはり吸盤よりシールの方が安定感があります。
台所の吸盤フックが誰もいない時に落ちるとビクッとしますよね。
すみません、話を戻します。
ビクッで思い出しましたが、怪我での激痛や痙攣等で体が動いてしまうような状況では尚更です。
電極が外れると検査時間や記録紙を無駄にするだけではありません。
微弱な電流を計る物ですからしっかり付いている方が安定して電流を拾う事ができます。
よかった、うまく(?)話が繋がりました。
- そして、患者・被験者へかかる負担も違います。
体に吸盤を吸い付けるというのは意外とストレスになるものです。
人によっては電極を付けた跡が内出血になってしまう事もあるようです。
一方でディスポーザブル電極も接着剤の影響や蒸れる事で貼った跡がかぶれる事があります。
ここは患者・被験者の体質によっても変わってくるので一概に優劣を付けるのは難しいです。

吸盤タイプのリユーザブル心電図電極

シールタイプのディスポーザブル心電図電極
使用するシーンや対象に合わせ、最適な心電図電極の選択を
総合してディスポーザブル電極の方が良い事ばかりが多いように見えますが、
実際機能面ではディスポーザブル電極の方が優れていると言って良いでしょう。
ただ、使い捨てなのでやはりランニングコストはリユーザブル電極よりかかります。
部署によっても違いますが、重傷・重病患者の多い大きな病院では、
ディスポーブル電極を使用しているところが多くなってきています。
逆に、健診センターのような基本的に健康で抵抗力のある被験者への短時間の使用では、
リユーザブル電極が使用されることも多いようです。
医療関係者以外の方も機会があったらちょっと気にして見てみると面白いかも知れません。
弊社では使い捨てのディポーザブル心電図電極を取り扱っています。
ご興味をお持ちいただきましたら、ぜひこちらのページも合わせてご覧ください。
ディスポーザブルタブ電極のすすめ
それではまた!